2005年愛知万博オープニングに上演され絶賛を博した「炎とフラメンコ」は、小松原庸子作品の傑作の一つに加わった。 小松原庸子のルーツである常磐津とフラメンコとの融合の舞台。 国境を越えて日本とスペインが一つになる。 伝統から生まれる現代の技と情熱。 今回は会場を移してEXPOドームで開催する。
藤四郎の祭り
美しい笛の音に始まり、事の初めに演じられる浄瑠璃(常磐津) 三番叟の歌声が聞こえる。 土を模した白、灰、茶、褐色の衣を纏った女達が舞う。 ようやく捜し求めた良土を見出し、喜びの男達(焼物師)の力強いサパテアド、そして鳴物、ギターがクロスオーバーしフラメンコへと移行、華やかな踊りを繰り広げる。 次第に女達は陶工の描く作品に象られ、窯の中へと消えていく。
窯の火は燃え炎は赤熱に光り輝き、強烈な手拍子、サパテアド、太鼓のリズムが加わり、舞台は炎の赤に覆い尽され激しい舞が展開される。 再び静けさを呼ぶ笛の音と共に火は落とされ静寂が戻り、男達の待つ中、美しいせとものを表わす女性が現れ、浄瑠璃(常磐津)の太夫の唄が祭りの終わりを告げ終曲となる。