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2006年01月24日

『素晴らしきフラメンコ 女の平和』 終了報告



  小松原庸子 メッセージ


公演風景始めて創作したフラメンコによるギリシヤ喜劇への挑戦に非常に緊張しておりました。

しかしながら開幕と共に私たちの永遠の平和への思いがこの喜劇の笑いを通して観客の皆さまの心に通じた事を実感し、スタッフ・キャスト一同喜びを感じております。




公演風景 公演風景
公演風景 公演風景
公演風景 公演風景
公演風景 公演風景

Photo by 瀬戸 秀美



  読売新聞夕刊 2006年1月17日(火曜日)


評 女の平和 (小松原庸子スペイン舞踊団)

記事 切り抜き踊りの熱さ、激しさからフラメンコの創作劇の大半は一大悲劇だ。だが、ベテラン小松原庸子の発想はユニークで、古代ギリシャ喜劇の舞踊化に挑んだ。
アテネと近隣諸国の戦争が絶え間なく続き、男たちの無策に絶望した美女のリシストラタ(マリベル・ガジャルド= 写真中央)は一計を案じ、国中の女を神殿に集める。その計画とは「男が平和に賛成するまで身を任せない」というもの。女たちは誓いを立てて城山にこもる。
小松原やクリージョ・デ・ボルムホスらによる振り付けのポイントは、女性らしいエネルギーをあふれさせること。冒頭、ガジャルドのソロが鮮烈だ。戦火にほんろうされるように回転し、足を力強く踏みしめて思案にくれる。女性のか弱さと平和を求める意思がみなぎるダンスだ。彼女のカリスマ的な輝きに触発され、気もそぞろな女たちが踊りの輪に加わっていく。
女は誰もが表情豊かで優雅に自然に振舞い、対する男は武骨。両者の動きの質の違いが笑いを誘う。開城を迫る役人たちは肩をいからせて勇壮に足を踏むものの、女たちの柔らかな踊りに囲まれ勢いを失う。
クライマックスはイスラエル・ガルバン演じるアテネの男と連れ戻されることを拒む妻役の南風野香との駆け引きだ。ガルバンは“革命児"と呼ばれるだけに超高速で手足を動かし、幾何学的なポーズを決める。当初、南風野は圧倒されるが、徐々にガルバンと同調して重量感あふれる動きもこなす。気付けば背後に回り、操るように振る舞った。
さらにダンサーたちを弾ませたのは、ピアニストのドランテによる洗練された中に情熱がほとばしる演奏だ。神殿がそびえる丘を模した奥行きのある装置、ギリシャ風の色鮮やかな衣装、地中海風の明るい照明も心に残る。74歳になっても衰えない小松原の自由な発想が生きていた。演出は鈴木完一郎。

祐成秀樹

― 8日、初台・新国立劇場



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