イベント詳細

小松原庸子スペイン舞踊団40周年記念 「HIBIKI-西と東-」終了報告

この度は、舞踊団創立40周年記念公演「ひびき-西と東-」に際しまして、温かいご支援およびご後援を賜りまして、誠にありがとうございました。

あの強烈な太鼓の響きとフラメンコを、どのように融合させたらよいか、永い間、考え続け、努力を重ねて参りましたが、お陰さまを持ちまして、ご来場のお客様および批評家の方々から、「和とフラメンコの見事な融合」「二つの国が一つとなった、今までの中で出色の出来栄え」と賞賛され、本当に嬉しく存じました。

そして一年を通して続けて参りました「40周年記念公演」も無事終了し、皆様にお喜び頂けましたこと、心より幸せを感じて居ります。

この作品は、今秋、スペイン最大のフェスティバル“ビエナル”での上演も決定し、あちらの皆様にも感動して頂けますよう舞踊団一同、さらに精進を重ねていく所存でございます。

どうぞ今後ともご鞭撻の程、よろしくお願い申しあげます。

小松原 庸子

公演フォトギャラリー

La vida breveラ・ビダ・ブレベ
ラ・ビダ・ブレベ

Danza de sillasダンサ・デ・シージャ
ダンサ・デ・シージャ

Guajiraグァヒーラ
グァヒーラ

Alegriasアレグリアス
アレグリアス

左から、ハビエル、ホセ、フンコ、ダビ、アンドイッツ
左からハビエル、ホセ、フンコ、ダビ、アンドイッツ

Surスール
スール

Siguiriyaシギリージャ
シギリージャ

キャストに笑顔を向ける小松原
キャストに笑顔を向ける小松原

Danza de sillasダンサ・デ・シージャ
ダンサ・デ・シージャ

会場を魅了した林英哲氏と「風雲の会」
会場を魅了した林英哲氏と「風雲の会」

フラメンコと太鼓の斬新なコラボレーション
フラメンコと太鼓の斬新なコラボレーション

華やかなフィナーレ
華やかなフィナーレ

公演後、楽屋でドランテ、林氏、エル・フンコ、クリージョと一緒に
公演後、楽屋で
ドランテ、林氏、エル・フンコ、クリージョと一緒に

Photo by Photo by 大森有起、上田治躬、大場健二

無断転載等、読売新聞社や著作権者の権利を侵害する一切の行為を禁止いたします。

2010年1月19日(火曜日)読売新聞 夕刊の講評

「Hibiki-西と東-」(小松原庸子スペイン舞踊団)
  評 太鼓とフラメンコの共演

 フラメンコのベテラン・小松原庸子の息の長い創作を支えるのは、旺盛なチャレンジ精神と自由な発想だ。この両面を舞踊団創立40周年記念公演シリーズの最後でも発揮した。 太鼓の林英哲とフラメンコ・ピアニストのドランテ。奏法もリズムの取り方も異なる2人の共演を実現させたのだ。

 そびえ立つ太鼓に向き合う林。見慣れた光景だが、いつもとビートが違う。フラメンコ特有の12拍子の基本リズムを心がけてたたいているようだ。その豊かで温かな響きが、ドランテのきらびやかで硬質な音を包み込んだり、戯れたり。自在な掛け合いが心地よい。

読売新聞紙面

 小松原が現れると、「シギリージャ」という深遠な曲を踊る。林と弟子たちがたたくうちわ太鼓と、和装のスペイン人の足拍子が空気を引き締める中、リズムを巧みにつかんで胸を張り、肩をいからせたポーズを決める。優雅で風格のある姿形から、スペインと日本の感性を融合して独自のフラメンコを確立した、この人の生き方がにじむ。

 今を感じさせるスピーディーな踊りも登場した。期待の若手・丹羽暁子の、音符が見えるような表情豊かな舞。貴公子・フンコの、端正で目の覚めるようなテクニック。極め付きは、ドランテの代表作「スール」だ。チェロとオーボエを加えたバンドが色彩豊かに演奏し、林の太鼓が細かく力強いリズムの輪郭を浮き立たせる。井上圭子らの群舞は身体の美しい線を見せながら鮮やかに隊形を変えて彩りをあふれさせた。=写真=

 西と東、昔と今が響き合い、見るうちに心が躍動した快作だ。振り付けは小松原、ガジャルド、クリージョら。

− 祐成秀樹 -9日、初台・新国立劇場。(撮影:大森有起)

*この評は、読売新聞の了解のもとに、転載しております。
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2010年2010年2月5日「週刊オン★ステージ新聞」の講評

東西文化の融合共存を実現
小松原庸子スペイン舞踊団

 小松原庸子スペイン舞踊団創立四十周年記念の最終公演、「ひびき~西と東~」が異色のゲストを招いて行なわれた。

 まず、舞踊団とスペインの男性ダンサーによる、クラシコを主体としたコンサート。  逆光を巧みに使って深い空間のなかに谷淑江らのダンサーが浮かびあがる「ラ・ビダ・ブレベ」から、井上圭子らの「カディス」、石井智子、南風野香、平富恵が男性と踊る「ベナモール」。そして、椅子を操りながら多数の男女によって繰り広げられる「ダンサ・デ・シージャ」まで、カスタネット、ダンスと、色彩豊かな良質のショウを見ているようだ。そのなかで第二曲、若き騎士を思わせるダビ・サンチェスの「シルク・ドゥ・ソレイユ」では現代的な感覚の動きによるドラマを見せた。

 第二部が、作品タイトルにふさわしい東西の饗宴。まずイントロダクションで林英哲の太鼓、スペインのピアニスト、ダビ・ペーニャ・ドランテの、それぞれを紹介するソロに多くの男女ダンサー、ミュージシャンが加わり、大セッションとなる。男性ダンサーは白黒のカミシモを想起させる衣裳。センター奥から小松原が登場、クリージョ・デ・ボルムホスとのデュエットをしっかり見せる。ホリゾントの映像も浮世絵を思わせる。間に群舞をはさみながら、まずスペインでも名高いエル・フンコのソロ。長身を効果的に使って抑揚十分のサパティアードを見せる。さらにドランテの演奏。フラメンコ一家の出身で嘱望されるピアニスト、スタイルはむしろジャズやフュージョンに近いが、なかなかの技巧派だ。そして英哲が風雲の会のメンバー四人を従えてダイナミックに太鼓を操る。フィナーレにはピアノ、太鼓、カンテ、ギター、オーボエ、パーカッションなどが、ダンサーたちと刺激しあい、主張し合い、全体が一つとなって舞台を創り上げる。西と東にピアノによる新大陸の香りも加わって、時空を超えた融合共存が実現した。

− 1月9日夜 新国立劇場中ホール うらわまこと

*この評は、週刊オン★ステージ新聞の了解のもとに、転載しております。
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