第一部 『私はフラメンコを選んだ』
―― 彩でつづる私のフラメンコ ――
『春の青 夏の紅』
“青”それは人が夢を託すために生み出した色、
初めて志を抱いて旅発った あの春を思い――
太陽を視たあと 陽の色が瞼に透ける赫
それは私の血の色 踊りに燃えた夏のあの日
『秋の白 冬の玄』
“白”は私を引き付ける静謐
心を沈ませ自らを省みる秋に私は私の行く道を決めた
“玄”の表現は何千年の歳月を歩んで来たという
それは真っ黒ではなく幽かに明るい玄
私の求めるフラメンコのドゥエンデ
“玄の又玄”
墨に親しみ 墨に馴染み 墨を頼りにし
誘われ 操られ 惑わされ 裏切られ墨に救われる
桃紅氏の墨への想いは 私の踊りへの想いと重なり 惹きつけられる
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