「私はフラメンコを選んだ」―小松原庸子 の一つの作品のタイトルである。今までに、スペイン舞踊及びフラメンコ教授協会に
よるAPDE賞は外国人であるマノロ・バルガス、ホセ・グレコらに授与されているが、 日本人である小松原庸子が受賞した事は、重要に思う。それは、彼女がフラメンコに捧げてきた経歴が他の誰よりも特異で傑出したものだからである。
彼女の功績は、主なフェスティバルに参加するだけにとどまらず、個性的な演出においても賞賛を受けていることである。そのため、庸子が創り上げているフラメンコ
は、アンダルシアの芸術に類似するものはなく、それゆえに、歴史に名を残すものとなるであろう。いや、すでに歴史に存在し、フラメンコの持つ普遍性を高めているの
である。 |