トマティートは、12才で彼の運命を変えるパコ・デ・ルシアや天才フラメンコ歌手のカマロンに出会った。 若きトマティートの才能に気づいたカマロンは、まだ無名の彼を伴奏者に大抜擢した。以来カマロンがこの世を去るまで、トマティートのギターはカマロンのカンテに命を与え続けた。 トマティートは、1979年にパコ・デ・ルシアとの念願の初共演を果たし、1987年に初のソロ・アルバム『ロサス・デ・アモール』を制作。1991年に第2作『バリオ・ネグロ』を発表。
1996年に第3作『ギターラ・ヒターナ』を完成させた後、ジャズ界との交流によって、自らの音楽に新たな可能性を見出す。 1997年に、ジャズ・ピアニスト、ミシェル・カミーロとの共演は、ジャズとフラメンコというスタイルの異なる音楽の融合を史上初めて成功させた。
2000年にカミーロとの共作アルバム『スペイン』が最優秀ラテン・ジャズ作品賞、1987年にパリで収録されたカマロンとの共演ライブ盤がベスト・フラメンコ・アルバム賞に選ばれ、ラテン・グラミー賞2冠に輝く。同年、第4作『パセオ・デ・ロス・カスターニョス』を発表。 2001年トニー・ガトリフ監督作品『ベンゴ』のサウンド・トラックを手がけシーザー賞受賞。次いでカルロス・サウラ監督作品『サロメ』の音楽を担当。 2003年の日本公演も大成功を収めた。2004年4月に待望の新作CD発表予定。
撮影者/大森有起