舞踊団第一回公演に上演したF・G・ロルカの傑作戯曲「血の婚礼」を演出も新たに、舞踊団創立30周年の成長と成果を見せた。
“運命”がこれから起こるであろう悲劇の主人公達を示す。 神秘性を帯びた“月”
レオナルドの家には穏やかさは無い。彼の落ち着かない様子を見るたびに妻は不安になる。 以前はこんな暗い性格ではなかった。一体どんな秘密が彼女を泣かせるのか。 彼女は我が子にすら慰めを見出せないでいる。 妻:私の従姉に結婚の申し込みが来るの・・・ 花嫁と花婿 若い二人の結婚が取り決められる。 激昴したレオナルドに縋る妻。
下着のままの花嫁。 女中が花嫁の髪を結っている。
夢中で花嫁の家に馬で駆けつけるレオナルド。 花嫁は感情を押さえ切れず、レオナルドと愛を確かめ合う。 結婚式の招待客が集まり始める。 我に返る花嫁。 絶望的になるレオナルド。 ・・・・・
婚礼のセレモニー。盛大な祝宴が始まる。 レオナルドとその妻は仕方なくその宴にやって来る。 花婿、花嫁を抱きしめるが、花嫁は浮かない。 いつの間にかレオナルドと花嫁はその場から居なくなっている。 花婿は友人達と二人の後を追う。
花嫁はレオナルドに一人で逃げるよう促す。 二人を探す人々。運命に導かれて花婿が現れる。 レオナルドは花嫁を遠ざけ、ナイフを取り出す。 ついに二人の男がぶつかり合う時、森の奥深く起こった血腥い光景を隠すように、運命がマントを広げる。 辺りは少しずつ暗くなり、、運命は定められた死に逆らえぬ事を示し、月も次第に消えて行く。
写真/大森有起